
製造業において、ボルトやナットを締めたり緩めたりは頻繁に発生する作業です。この作業に時間がかかってしまうと、業務の効率化も実現しません。そこで、ボルトやナットの締め・緩めを効率化するために欠かせない工具が、ラチェットレンチです。 本記事では、ラチェットレンチの正しい使い方、使用する際の注意点を解説することで、業務の効率化を果たすためのサポートをいたします。製造業に携わる方で、ラチェットレンチの利用を検討されている際は、ぜひ参考にしてください。
目次
ラチェットレンチの正しい使い方
ラチェットレンチを正しく使うには、正しいフォームと回転方向の切り替えについての理解が欠かせません。ここでは、この2点を踏まえ、正しく使う方法について解説します。
正しいフォーム
ラチェットレンチを正しく使うには、正しいフォームを理解する必要があります。
基本的には、一般的なレンチやスパナを使う際のフォームと大きな違いはありません。まず、ボルトと工具の回転軸に対し、ラチェットレンチの先を同一線上に保ちます。 そして回転軸に対し、ハンドル部分を直角に保持するのが、もっとも正しいフォームです。このフォームを維持することで、ラチェットレンチに効率よく力がかけられるようになります。
回転方向の切り替え
ラチェットレンチの最大の特徴は、ラチェット機構と呼ばれる特殊な仕組みにあります。通常のレンチはボルトを回すたびに一旦レンチを外し、改めて付け替えなくてはなりません。
これに対しラチェットレンチは、一方向のみにしか回転せず、もう一方への回転にはロックがかかるラチェット機構があるため、毎回レンチを外す必要なくボルトを回せます。また、付け外しがないことで、狭い場所でも作業できるのもラチェット機構のメリットです。
使用する際、回転方向の切り替えはレバーで行います。回転させたい方向へレバーを切り替えてロックを外しますが、切り替えをしっかり行わないとロックがかからない場合があるため、注意が必要です。 また、作業中にレバーに触れてしまう、周囲の設備にぶつかってしまうなどでレバーが動き、ロックが外れる可能性もあるため気を付けて使ってください。
使い方
改めて、ラチェットレンチの使い方を見てみましょう。まずソケット(ボルトやナットに直接はめ込む部分)をボルトもしくはナットにしっかりとセットし、締めたい、または緩めたい方向へ回します。 なお、回転させる際は、前述したレバーを間違えないようにセットしてください。反対方向に回転させる際は、改めてレバーをセットし直せばスムーズに作業を進められます。
ラチェットレンチを使用する際の注意点

ラチェットレンチを使用する際、注意すべきは「ヘッドのサイズに合ったものを選ぶ」「手袋を着用する」「雑に扱わない」「回転時はしっかりとはめる」の4点です。 ここでは、それぞれについて詳しく解説します。
ヘッドのサイズに合ったものを選ぶ
ラチェットレンチに限らず、レンチを使用する際は、ボルトやナットのヘッドサイズに合ったものを選ぶことが必須です。
ヘッドサイズに合わないものを無理にボルトやナットにはめ込んで回転させても、力がうまく伝わらずに非効率なだけでなく、ボルトやナットを傷めつけてしまいかねません。 ラチェットレンチはさまざまなサイズが揃っているため、用途に応じて適切なサイズを選択しましょう。
手袋を着用する
ラチェットレンチを使い素手で作業をすると、力をかける際に手を傷めてしまうリスクがあります。そのため、ラチェットレンチを使う際は必ず作業用の手袋を着用し、安全性を高めるようにしましょう。
力を入れすぎたり雑に扱わない
ラチェットレンチは、一方向への回転をロックするためのレバーがついていることもあり、通常のレンチに比べ、精密かつデリケートにつくられています。
そのため、無理に力を入れたり雑に扱ったりすれば、故障の原因になるのはもちろん、作業時の怪我につながりかねません。 また、ボルトやナットを締める、緩める以外にハンマー代わりに使う、釘やねじを押し込む際に使うといった、本来の用途以外の使い方も厳禁です。力を入れすぎない、雑に扱わないことで怪我や故障を防止し、長く使えるようになります。
回転時はしっかりとはめる
ボルトやナットにラチェットレンチのソケットをはめ込む際は、必ずしっかりはめ込まなくてはなりません。ソケットのはめ込みが浅いと、力がしっかりと伝わらず余計な力が必要になります。 また、はめ込みが浅い状態で無理に回転させようとすると、ボルトやナットが壊れてしまうリスクもあるため、注意が必要です。
こちらの記事では、トルクレンチの使い方について解説しています。種類や保管方法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
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まとめ
ラチェットレンチは、一般的なレンチとは異なり、一方向へしか回転せず、逆方向への回転にはロックがかかるラチェット機構を搭載したレンチです。そのため、毎回レンチを外す必要がないうえ、狭い場所でもボルトやナットを締めたり、緩めたりを効率的に行えます。
ただ、適切なサイズではないものを使ったり、無理に力を入れたり雑に扱ったりなどを繰り返すと、ラチェットレンチやボルト、ナットの故障、作業者の怪我につながるおそれがあります。そのため、必ず正しい使い方を把握し、適切に扱うように注意して、業務の効率化を実現させましょう。 電設資材の「電材ネット」では、約10万点の豊富な取り扱い商品のなかから、商品カテゴリーやメーカー別に「これが欲しかった!」を簡単にお探しいただけます。すぐに在庫がご用意できる商品は当日発送もご対応いたしますので、ぜひご利用ください。