配電盤についてお悩みではありませんか?配電盤は、建物や設備の電力供給を管理する重要な装置です。

配電盤の役割や分電盤との違い、適切な選び方を理解することで、安全で効率的な電力管理が可能になります。しかし、専門的な知識が必要なため、選定や管理方法に悩む方も多いことでしょう。 本記事では、配電盤と分電盤の役割の違いをはじめ、メンテナンス方法や選び方のポイントをわかりやすく解説します。電気設備の選定でお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください。

配電盤とは?

配電盤とは、建物や設備で電力を管理するための重要な装置です。発電所から供給される高圧電力を受け取り、使用可能な低圧電力に変換して分配することで、施設内の各設備や機器が適切に電力を利用できるようになります。 ここでは、配電盤の種類と構造について詳しく解説します。

配電盤の種類

配電盤にはさまざまな種類があり、設置場所や用途に応じて選ばれます。配電盤の主な種類は以下の内容です。

【高圧配電盤】

高圧配電盤は、発電所から受け取った高圧電力を低圧に変換し、建物全体に電力を供給する装置です。大型のオフィスビルや工場などでは必須で、電力会社との高圧受電契約にもとづき設置されます。

【低圧配電盤】

低圧配電盤は、高圧配電盤から受け取った低圧電力を建物内の各エリアやフロアに分配するための装置です。低圧配電盤により、建物内の特定エリアに適切な電力を供給できます。

【制御盤】

特定の機械や設備に特化した電力供給が必要な場合に使用されるのが、制御盤です。たとえば、大規模な空調システムや機械設備の制御が挙げられます。建物や設備の電力需要に応じた柔軟な対応が可能です。

配電盤の構造

配電盤の構造は、設置環境や利用目的に応じて大きく2種類に分けられます。それぞれの特徴は以下のとおりです。

閉鎖型

閉鎖型の配電盤は、外部の環境から電気部品を完全に保護する構造です。耐久性が高く、雨風や粉塵の多い環境でも安定した動作を提供します。 主に工場や屋外施設で使用されることが多く、安全性と耐久性を重視する現場に適しているのが閉鎖型です。

開放型

開放型の配電盤は、設置場所が室内であり、外部環境の影響を受けない場合に使用されます。開放型はメンテナンスが容易であり、コストも比較的低く抑えられるのが特徴です。

ただし、防塵や防水の性能は閉鎖型に比べて劣るため、適切な環境で使用することが求められます。 配電盤の種類と構造は、使用目的や設置環境によって選ばなくてはなりません。適切に選択し設置することで、電力供給の効率性と安全性を引き出せます。

配電盤と分電盤の違い

配電盤と分電盤は、いずれも建物内で電力を管理する装置です。それぞれ異なる役割と特徴を持っています。

配電盤は高圧電力を受け取り、それを建物全体に供給するために適した電圧に変換します。配電盤から供給された電力を各部屋やフロアごとに分配し、安全性を確保する役割を担っているのが分電盤です。 ここでは、配電盤と分電盤の役割、構造、設置場所の違いについて詳しく解説します。

配電盤の役割

配電盤の主な役割は、高圧電力を受け取り、それを建物内で使用できる低圧電力に変換することです。配電盤は電力を分配するだけでなく、電気を管理し安全を確保する機能も備えています。配電盤による高圧電力の変換は、安全で安定した電力供給を可能にするために必要です。

配電盤には、漏電遮断器や過電流保護装置などが組み込まれており、事故や電力トラブルを防ぐ役割も果たします。配電盤は建物全体の電力供給を統括する中枢的な存在です。

たとえば、大型のオフィスビルや工場では、電力会社から高圧で供給される電気をそのまま利用することはできません。配電盤が高圧電力を低圧に変換し、各フロアや設備に供給しています。 この仕組みにより、大規模な電力需要にも対応できるようになるのです。

分電盤の役割

分電盤の役割は、配電盤から供給された低圧電力を、建物内の各部屋や設備に分配することです。分電盤には過負荷や漏電を防ぐためのブレーカーが装備されており、安全性を確保する役割も担っています。分電盤が各部屋ごとに電気を分配することで、使用する電力を細かく管理することが可能です。

一度に多くの電気を使用するとブレーカーが落ちることがあります。これは分電盤の安全機能が働いている証拠です。このように、分電盤は建物内の電力供給をより細かく制御し、トラブル発生時には被害を最小限に抑えています。 分電盤は一般家庭にも必要な設備です。分電盤の中にブレーカーが収納されています。建物の規模に応じて設置される分電盤の数や仕様が異なるため、適切な選定が重要です。

配電盤と分電盤の構造の違い

配電盤と分電盤の構造は、用途や役割の違いに応じて設計されています。

【配電盤の構造】

配電盤は一般的に大型で頑丈な構造です。外部環境から内部機器を保護するため、金属製のケースに収められています。配電盤は屋外や屋内の専用スペースに設置されることが多く、外部環境の影響を受けにくい構造です。漏電遮断器や過電流保護装置、電圧変換器などの装置が搭載されており、高圧電力の変換と分配を効率的に行っています。

【分電盤の構造】

分電盤は配電盤に比べて小型であり、室内の壁面などに取り付けられることが一般的です。構造は比較的シンプルで、ブレーカーや配線がコンパクトに収められています。

分電盤には電圧を変換する機能はありません。分電盤に備わっているのは、電力を分配するためのスイッチ類です。 配電盤は高圧電力を扱うため頑丈で大型、分電盤は低圧電力を分配するため小型で扱いやすいという構造上の違いがあります。

配電盤と分電盤の設置場所の違い

配電盤と分電盤は、それぞれ設置場所にも違いがあります。

【分電盤の設置場所】

分電盤は、ほとんどが建物の内部に設置されています。一般家庭では、ブレーカー操作がしやすい位置に配置されることが多く、玄関付近や廊下の壁面への取り付けが一般的です。

大型の建物では、各フロアや部屋ごとに分電盤が設置されており、電力管理がより細分化されています。配電盤は建物全体の電力供給を担うために専用のスペースに設置され、分電盤は利用者が簡単にアクセスできる場所に設置される傾向です。 配電盤と分電盤は、その役割や構造、設置場所に明確な違いがあります。それぞれの特徴を正しく理解し、適切に管理することで、建物の電力供給を効率的かつ安全に行うことが可能です。

動力盤と制御盤の特徴

動力盤と制御盤も電気設備の管理において、重要な役割を果たします。動力盤は主に動力機器を制御し、制御盤は機械設備全体の操作や監視を行うための装置です。 動力盤と制御盤は、それぞれの用途に応じた機能を持ち、効率的な電力使用を実現します。ここでは、動力盤と制御盤の役割や特徴について詳しく解説します。

動力盤

動力盤は、主に工場やビルなどの施設で動力機器を操作・管理するために使用される盤です。ポンプやモーター、エアコンなどの動力を必要とする機器に電力を供給し、安定的な動作をサポートします。

動力機器に適した電圧や電流を供給するための設備が、動力盤です。開閉器、ヒューズ、漏電遮断器、タイマーなどが内蔵されており、これらを通じて電力の供給と遮断をコントロールします。

過負荷や短絡などの異常が発生した場合には、安全装置が作動してシステムを保護する仕組みです。たとえば、大規模な工場では多数のモーターやポンプが稼働しており、これらを効率よく管理するために動力盤は欠かせません。動力盤を適切に設置することで、機器の寿命を延ばし、エネルギー効率を向上させることができます。動力盤は、高負荷の電力を扱う場合に使用されるため、耐久性や安全性が重視される設備です。設置場所は屋内外の両方に対応しており、防水・防塵性能を備えた仕様の製品も存在します。

制御盤

制御盤は、動力盤とは異なり、機械設備全体の動作を細かく制御・監視するための盤です。主に工場やビル、商業施設などで利用されており、複雑な設備や機器の動作を効率的に管理します。

制御盤には、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)やリレー回路などの制御機器が内蔵されており、機器や設備の動作をプログラム通りに制御する仕組みです。操作パネルや表示灯が備えられており、操作状況を確認しやすい設計になっています。

工場で製造ラインを管理する場合、制御盤を用いて各機械の動作タイミングや速度を調整することで、生産効率を重視しながらトラブルの発生を抑えることが可能です。設備に異常が発生した際にはアラームを発する機能もあり、迅速な対応が求められる場面でも活躍します。

制御盤のなかには、システム全体の自動化や遠隔操作を実現するためにネットワーク機能を備えているものもあり、最新のテクノロジーを活用した効率的な設備管理が可能です。 動力盤と制御盤は、それぞれの役割や機能が異なるため、設置する目的や設備に応じて適切に選ぶ必要があります。動力盤は高負荷の動力機器の管理に特化しており、制御盤は設備全体の効率的な運用を支える重要な装置です。それぞれの特徴を正しく理解し、活用することで、安全性と効率性を両立した電気設備の運用が可能になります。

配電盤の寿命とメンテナンス方法

配電盤は、安全で効率的な電力供給を実現するために欠かせない設備です。しかし、長期間使用することで劣化が進み、性能の低下や故障のリスクが高まります。 寿命を理解し、メンテナンスを適切に行うことで、設備の安全性を確保しつつ寿命を延ばすことが可能です。ここでは、配電盤の一般的な寿命とメンテナンス方法について詳しく解説します。

配電盤の寿命

配電盤の一般的な寿命は、設置後15〜20年程度とされており、内部の電気部品や配線の劣化、周囲環境の影響により変わります。湿気やホコリ、温度変化の激しい環境では、部品の劣化が早まる傾向です。

とくに注意すべき点として、経年劣化による漏電や短絡の発生リスクが挙げられます。これらのトラブルは、火災や停電といった重大な事故を引き起こす可能性があるため、早めの交換やメンテナンスを実施しましょう。技術の進化により、新型の配電盤はエネルギー効率が向上しているケースもあります。古い配電盤を使い続けると、電力消費が無駄になる場合もあるため、適切なタイミングで新型の配電盤への交換を検討してみましょう。

メンテナンス方法

配電盤の寿命を延ばすには、定期的なメンテナンスが重要です。ここでは、具体的なメンテナンスの方法を紹介します。

1.目視点検

配電盤内部や外部を目視で確認し、異常がないかチェックします。焼け焦げや変色、配線の緩みが見つかった場合は、速やかに修理しましょう。

2.清掃

配電盤内に溜まったホコリや汚れを除去しましょう。ホコリが溜まると通電効率が低下し、発熱や故障の原因となるため、定期的に清掃してください。

3.部品の交換

劣化した部品や古い電気機器を交換しましょう。とくに、漏電遮断器や開閉器などの安全装置は定期的に点検し、不都合がある場合は、故障する前に交換することをおすすめします。

4.動作確認

漏電遮断器や各種保護機器が、正常に動作しているか確認しましょう。確認作業は専門知識が必要なため、電気技術者に依頼することが一般的です。

5.専門業者による点検

年に1回程度、専門の電気業者に点検を依頼しましょう。業者は、電気絶縁や電流負荷を計測し、詳細な診断をしてくれます。

メンテナンスを怠ると、突然の故障や安全性の低下につながるおそれがあり危険です。定期的なメンテナンスを行うことで、配電盤の故障を防ぎ、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。 配電盤は、長期間にわたり安全に使用できるよう適切に管理する必要があります。寿命を理解したうえで、定期的なメンテナンスを行うことで、安心して電力を利用できる環境を維持しましょう。

配電盤と分電盤の選び方

配電盤と分電盤は、建物内の電気供給システムにおいて重要な役割を果たします。配電盤と分電盤の選び方をよく理解することで、効率的かつ安全な電力供給が可能です。 ここでは、配電盤と分電盤を選ぶ際の具体的なポイントを詳しく解説します。

配電盤を選ぶポイント

配電盤を選ぶ際は、使用する建物の規模と電力使用量を明確に把握することが重要です。配電盤は電気の変圧や供給を行うため、高圧受電設備を備えた施設には高圧対応の配電盤が欠かせません。小規模な施設や家庭用の場合は、低圧対応のものを選んでください。

設置環境に適した仕様の配電盤を選択することも重要です。屋外に設置する場合には、耐候性や防水性が高い製品がよいでしょう。屋内設置の場合でも、防塵性能や省スペース設計が考慮されたものを選ぶと、メンテナンス性が向上します。

配電盤の機能も検討すべき重要なポイントです。省エネ性能を向上させる機能や、遠隔監視が可能なスマート対応型配電盤は、長期的な運用コストの削減につながります。これらの機能を組み合わせた製品を選ぶことで、効率的な電力管理が可能です。

分電盤を選ぶポイント

分電盤を選ぶ際は、供給先の電力需要に応じた容量を確認してください。分電盤は、配電盤から供給された電力を各フロアや部屋ごとに分配する役割を担っています。電力使用量が多い場所では、ブレーカー容量に余裕を持たせた分電盤を選ぶと、安定した電力供給が可能です。

安全性の観点から、漏電ブレーカーや過負荷保護機能を備えた製品を選びましょう。漏電ブレーカーや過負荷保護機能により、漏電や過負荷によるトラブルを未然に防ぐことができます。とくに、オフィスや工場など、多くの電気機器を使用する場所では、これらの安全機能が不可欠です。

設置場所に応じた仕様も考慮してください。屋外設置の場合は、防水性能が高いタイプや耐久性のある構造の分電盤を選びましょう。家庭用の場合は、コンパクトで設置が容易な製品が適しています。配電盤と分電盤は、それぞれの役割に応じた選定が必要です。使用環境や電力需要、設置条件を踏まえて最適な製品を選ぶことで、電力供給システムを効率化し、安全性を高めることができます。選定に迷った場合は、専門業者に相談しましょう。

こちらの記事では、分電盤について解説しています。ブレーカーとの違いや交換についても取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

分電盤とは?配電盤・ブレーカーなどとの違いや交換について解説

分電盤とは、配電盤から送電されたエネルギーをコンセントや照明などへ分配する装置を指します。ブレーカーとの違いや分電盤の種類、また交換する場合の適切なタイミングや費用の目安もまとめて取り上げるため、ぜひ最後までご覧ください。

まとめ

配電盤と分電盤の基本的な役割や違い、メンテナンス方法、選び方について解説しました。配電盤は電力を変圧・供給し、建物全体の電気を管理する装置であり、分電盤はその電力を各部屋や設備に分配し、安全を確保する役割を担っています。これらの装置を適切に選定・管理することで、効率的かつ安全な電力供給が実現可能です。

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