ブレーカーが落ちたときの戻し方は種類によって異なり、場合によっては業者に頼まなくてはいけないケースがあります。スムーズに復旧できるように、戻し方を確認しておくとよいでしょう。
そこで本記事では、ブレーカーの復旧方法について、種類別に落ちる原因や戻し方をご紹介します。そのほか、ブレーカーが落ちないようにするためのポイントもお伝えするので、対策としてぜひ参考にしてください。
目次
ブレーカーの復旧方法
ブレーカーには、主にアンペアブレーカーや安全ブレーカー、漏電ブレーカーの3種類があります。ここでは、ブレーカーを復旧する方法について、種類別に落ちる原因と戻し方をご紹介します。
アンペアブレーカーが落ちる原因と戻し方
アンペアブレーカーとは、電気会社との契約アンペア数を超えると落ちるブレーカーです。電気を遮断する役割があり、電気会社によっては契約ブレーカーやサービスブレーカーと呼ばれていることがあります。
アンペアブレーカーは、家全体の電気を管理しており、落ちると家全体の電気が使えなくなります。スマートメーターの場合、契約アンペア数を超えたことで停電したとき、数十秒後に自動的な復旧が可能です。
ただし、使用中のアンペア数が契約アンペア数を超えたままだと、自動的に復旧しても停電と復旧を繰り返してしまいます。電力会社によっては、何度も停電と復旧が繰り返されると、自動的に復旧されなくなる場合があります
原因
アンペアブレーカーが落ちる原因は、契約アンペア数以上に電力を使用することです。契約アンペア数が25Aであれば、家全体で使えるアンペア数は25Aまでとなります。
とくに、消費電力が大きい電化製品を複数同時に使用すると、落ちる可能性が高まるので注意しましょう。電子レンジやドライヤーなどは消費電力が大きいので、時間をずらして同時に使用するのを避けることがポイントです。
戻し方
アンペアブレーカーを戻す際、まず使用中の電化製品の電源を切っておくことが大切です。分電盤でアンペアブレーカーをオンにすると、再び電気が使えるようになります。
戻し方はとても簡単ですが、分電盤が暗い場所に設置されている場合があります。夜間にブレーカーが落ちたときは、懐中電灯やスマートフォンなどで照らしながら、足元に気をつけながら戻りましょう。
また、ブレーカーが戻ったからといって、落ちる前と同じ状態で電化製品を使えるわけではありません。ブレーカーを戻す前と同じ状態で電化製品を使うと、何度もブレーカーが落ちてしまうでしょう。
安全ブレーカーが落ちる原因と戻し方
安全ブレーカー(配線用遮断器)とは、回路ごとに電気を管理しているブレーカーです。家全体の電気を管理しているアンペアブレーカーとは異なり、部屋ごとに複数のブレーカーが設置されている点が特徴です。
安全ブレーカーは、エアコンなどの消費電力が大きい電化製品に対し、専用の回路を設けるときに用いられます。呼び名は、安全ブレーカーのほか、子ブレーカーや分岐ブレーカーなどがあります。
原因
安全ブレーカーが落ちる原因は、対応している部屋で電気を使い過ぎている、使用中の電化製品がショートしているなどです。部屋や場所別に使えるアンペア数は、10Aや20Aなどと契約で決まっており、上限を超えると電力が遮断されます。
部屋や場所ごとに使える電力は、家全体で使える電力よりも少ないです。そのため、複数の電化製品を同時に使用する場合、ブレーカーが落ちてしまう可能性が高まります。
また、玄関やリビング、寝室など部屋によって、使用できるアンペア数の上限が異なるケースがあります。電化製品を同時にどれくらい使用できるか、分電盤や契約内容などをチェックしてみるとよいでしょう。
戻し方
安全ブレーカーを戻す際、まず停電した部屋や場所で使用している電化製品の電源を切っておきましょう。停電した部屋に対応している回路を探し、ブレーカーをオンにすると電気が使えるようになります。
安全ブレーカーの戻し方は、アンペアブレーカーの戻し方と同じです。アンペアブレーカーと同じように、ブレーカーを戻したあとも、複数の電化製品を同時に使わないように注意しましょう。
漏電ブレーカーが落ちる原因と戻し方
漏電ブレーカーとは、家のなかで漏電が起こると落ちるブレーカーです。漏電の放置で起こる可能性がある感電や火災などを防ぐために大切な装置であり、家全体の安全を守るためにも重要な役割を持っています。
原因
漏電ブレーカーが落ちる原因は、漏電の発生です。漏電の理由としては、電化製品のコードが破損している、家のなかの配線が劣化しているなどが挙げられます。
そのため、漏電ブレーカーが落ちたときは、家庭内の配線や電化製品のコードに問題がないか確認しましょう。漏電が起きている箇所を特定することで、安全にブレーカーを戻せるでしょう。
戻し方
漏電ブレーカーを戻す際、まず家のどこで漏電が起こっているのか特定します。特定する方法としては、安全ブレーカーをすべてオフにして、漏電ブレーカーをオンにし、安全ブレーカーをひとつずつオンに戻します。
安全ブレーカーを戻す途中で漏電ブレーカーが落ちたら、安全ブレーカーをオンにした回路で漏電が起きていると考えられるでしょう。ほかの回路で漏電が起きている可能性もあるので、ほかの安全ブレーカーも試してみることがポイントです。
漏電している箇所がわかったら、漏電している回路を使えるようにするために、早急に修理を依頼しましょう。漏電の調査や修理をするには、電気工事士の資格が必要なので、自分で直そうとせずにプロに任せることが大切です。
また、資格を持っていない方が修理しようとすると、感電や火災などのリスクが高まって危険です。業者によって、対応できる日程や費用が異なるので、各業者を比較して自分に合ったところを見つけましょう。
ブレーカーを落とさないためには
ブレーカーを戻す方法を把握しておくだけではなく、ブレーカーを落とさないようにすることも大切です。ここでは、ブレーカーを落とさないためのポイントを3つご紹介します。
契約アンペアを見直す
ブレーカーが落ちる主な原因は、契約アンペア数を超えてしまうことです。そのため、契約アンペアの上限を高いプランに変更するだけで、電化製品を同時に使用したときにブレーカーが落ちる可能性を下げられます。
とくに、電化製品の使い方を工夫してもブレーカーが落ちてしまう場合は、契約アンペア数を上げることがおすすめです。適切なアンペア数に設定するために、どれくらいの電力が不足しているのか調査するとよいでしょう。
また、契約アンペアの見直しを機に、電力会社を乗り換えるのもおすすめです。アンペア数の上限を上げると電気料金が変わるので、同じアンペア数でも料金を抑えられるプランを扱っているところを選ぶとよいでしょう。
電化製品の使い方に注意する
複数の電化製品を同時に使用すると、ブレーカーが落ちる可能性が高まります。そのため、消費電力が大きい電化製品は、ひとつずつ使用していくことがポイントです。
消費電力が大きい電化製品には、IHクッキングヒーター、電子レンジ、アイロン、ドライヤー、炊飯器、食器洗い乾燥機などが挙げられます。とくに、エアコンは20Aを必要とするものもあるので、専用の回路を設けることがおすすめです。
また、毎回同じ部屋や場所で停電する場合は、電化製品ごとにコンセントを使い分けるとよいでしょう。延長コードやタコ足配線を増やしても利用できる電気量は変わらないので、コンセントの数を増やすことを検討してみてはいかがでしょうか。
漏電を防止する
漏電ブレーカーが落ちないように、日頃から配線管理をして漏電を防ぐことが大切です。漏電を防ぐには、タコ足配線の使用を控える、水回りの電化製品のアース線を接続するなどの対策を行うとよいでしょう。
タコ足配線は、プラグを差し込めるコンセントの数が増えるので、電気容量を超えてしまうリスクがあります。電気コードへの負担も大きくなるので、タコ足配線のコンセントに挿すコードの数を減らすことがポイントです。
また、タコ足配線は凹凸が多く、ホコリがたまりやすいです。ホコリを放置すると、発火して火災につながるおそれがあるので、日頃からこまめに掃除して取り除きましょう。ホコリ防止カバーの付いた電源タップの使用もおすすめです。
水回りの電化製品のアース線は、万が一漏電しても地面に電気を流す役割があります。水回りの電化製品は、濡れた手で触ると感電するリスクがあるので、アース線をアース端子に取り付けられているか確認してみましょう。
まとめ
アンペアブレーカーや安全ブレーカーの戻し方は、落ちているブレーカーをオンにするだけです。ブレーカーが落ちる場合、家全体または回路に対応した部屋・場所で使用している電力が契約アンペア数を超えてしまっている可能性があります。
ブレーカーが落ちないようにするには、契約アンペアを見直したり、電化製品の使い方を工夫したりすることがポイントです。消費電力が大きい電化製品は、ブレーカーが落ちる可能性を高めるので、安全ブレーカー及びコンセントの増設もおすすめです。
電材ネットでは、さまざまな種類のブレーカーの販売を行っています。とくに、漏電ブレーカーは、家庭によって取り付けられていないケースがあるので、家の安全性を高めるためにも取り付けを検討してみてはいかがでしょうか。
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