インシュロックとは結束バンドの一種で、配線をまとめたり、資材をひとつにくくったりするときに重宝するアイテムです。この記事では、インシュロックの名称について解説し、購入する際のポイントも紹介します。
目次
インシュロックとは?
インシュロックとは「結束バンド」「結束タイ」「ケーブルタイ」「タイラップ」とも呼ばれ、複数ある配線のケーブルをまとめたり、電気工事でパイプなどに配線をとめたりするのに使用されます。
インシュロックは結束バンドを意味しますが、ヘラマンタイトン株式会社の登録商標です。インシュロックをはじめとする結束バンドは、業務系の用途だけでなく、一般家庭のDIYでも広く活用されるようになりました。
結束バンドは、細長い帯状のバンドの先端に、ヘッドと呼ばれる四角い出っ張りがついています。ヘッドの真ん中には穴があり、結束バンドを締めるにはベルトを穴にとおして、ギュッとベルトを引っ張るだけです。
ベルトにはセレーションというギザギザがついているので、ベルトを締めたときにヘッド内部にあるツメがセレーションに引っ掛かり、反対方向に抜けなくなります。セレーションにはかえしがあり、一度ロックされると戻せません。
締める方向には動かせるため、ベルトを引っ張ったぶんだけ結束の強度を強くできます。固定された結束バンドは手の力では外せないので、取りたいときはニッパーなどを使ってカットします。近年はリピートタイプの結束バンドが登場していて、ロックをレバーで解除することにより、繰り返し使えて便利です。
結束バンドは日本でいつから使用され始めた?
日本に結束バンドが普及しはじめたのは、1960年ごろです。それ以前は配線を束ねるためにヒモが使われていましたが、耐久性が低く、結んでも強く固定できないという難点がありました。樹脂でつくられた結束バンドは柔軟性があって締めやすく、耐久性にも優れていることから、配線を束ねる資材として注目を集めました。現在では、さまざまな素材やサイズの製品が販売されるようになり、配線工事だけでなく日常生活にも便利なアイテムとして浸透しています。
インシュロック(結束バンド)の購入時のポイントは?
インシュロックなどの結束バンドには、用途別にさまざまなサイズのものや、材質が違うものがラインナップされています。結束バンドは、使用する目的やシーンに応じて選ぶことが大切ですので、購入時のチェックポイントについて確認しておきましょう。
ループ引張強度を確認する
家具の固定など、負荷がかかりやすい状況で結束バンドを使いたい場合は、結束バンドの強度が重要です。結束バンドがどれくらいの重さに耐えらえるかは「ループ引張強度」の数字を見れば分かります。
ループ引張強度は、輪にした結束バンドを機械で引っ張る検査をしたときに、どれくらいの力でロックが外れたりバンドが切れたりするか計測したデータをもとに決められています。ループ引張強度の単位はN(ニュートン)やkgf(重量キログラム)です。
200N(kgf)のループ引張強度をもつ結束バンドは、約20kgの重量に耐えられます。ループ引張強度が500N(kgf)の場合は、耐荷重が約50kgとなります。ループ引張強度の数字が大きいほど丈夫なので、強度を求める場合はループ引張強度の項目をチェックしてから購入しましょう。
φ(ファイ)を確認する
結束バンドには、φ(ファイ)やmmの単位で表記されています。結束バンドの長さが短すぎると、バンドがロック部分に届かず差し込めないことがあるので、結束したいものの直径を測ってから結束バンドを選びましょう。結束できる直径は、製品のパッケージに「最大巻直径」や「最大結束内径」などという表記で表されています。また、最小の結束内径が表示されている製品もあるので、細いモノを固定したい場合は、最小結束内径もチェックしておくのがおすすめです。
素材を確認する
結束バンドはさまざまな素材でつくられていて、用途によって適した素材が異なります。結束バンドで主流なのはナイロン樹脂です。ナイロンは価格がリーズナブルで、強度が高いことに加えて柔軟性も高いことから、配線を傷つけることなくしっかり固定できます。
ナイロン樹脂のなかにもいくつか種類が分かれていて、ナイロン66は安価で強度があり、耐候性も高いため、広く使われています。ナイロン46は優れた耐熱性や耐薬品性をもち、車のエンジンルームなどにも使用されているタイプです。
それ以外にも、ナイロン11、ナイロン12といった種類があります。
ナイロンよりも耐薬品性を重視した素材が、ポリプロピレンです。強度があり耐熱性も高いポリプロピレンは、酸やアルカリなどの薬品に強いため、医療器具や薬品を扱う工場で活用されています。
さらに高性能な結束バンドを求めるなら、フッ素樹脂がおすすめです。フッ素樹脂は耐熱性・耐薬品性・耐候性だけでなく、耐寒性も兼ね備えています。
一般的な結束バンドの耐熱温度は110℃くらいですが、フッ素樹脂は約170℃の高温に耐えられる性能をもっています。耐寒温度はマイナス80℃くらいです。フッ素樹脂は優れた性能を発揮しますが、価格はそのぶんナイロン製よりも高くなります。 結束バンドには、金属製もあります。ステンレスなどの金属でつくられた結束バンドは、強度が高く耐熱性も抜群です。高温多湿の厳しい環境下でも耐えられるため、屋外で太い配管の固定や、熱が発生する機械の補修などに使用されるケースもあります。
電材ネットでは、さまざまな結束バンドを販売しています。個人販売も可能なため、ぜひ一度ご利用ください。
まとめ
インシュロックとは、電源ケーブルやLANケーブルなどの配線をすっきりとまとめられる、結束バンドの名称です。結束バンドを活用して、絡まりやすい配線を整理しましょう。 電材ネットでは、豊富な種類のインシュロックを取りそろえております。ユーザー登録していただくと、お気に入りや再注文などの便利な機能をご利用できますので、ぜひご登録ください。