電池の液漏れは火傷や失明、発火などの危険や、機器の故障につながります。この記事では、電池の液漏れの原因や予防方法を紹介しています。正しい使用方法や保管方法を守り、液漏れを防ぎましょう。

電池が液漏れする原因とは

電池が液漏れする原因は、電池が使用済みか未使用かにより異なります。以下で詳しく見ていきましょう。

使用中や使用後の場合

使用中・使用後の電池が液漏れする主な原因は、過放電です。放電とは、電池から電気を使うことをいいますが、過放電は電気を必要以上に取り出そうとする状態のことです。

たとえば、スイッチの切り忘れや、機器が動かなくなった後も電池をそのまま放置すると、過放電になる可能性があります。過放電が起きると、電池のなかで大量のガスが発生します。ガスによって電池内部の圧力が高くなり、電池が破裂する危険性があるため、規定の圧力を超えると弁が作動し、ガスを外部に放出します。その際に、電池のなかにある液体(電解液)も一緒に漏れ出してしまう場合があり、これが液漏れの正体です。

未使用の場合

未使用の電池でも液漏れする場合があります。主な原因は、誤った保管方法です。正しく保管しなければ、内部構成物質の劣化が進み、ガスが発生して液漏れが起こる場合があります。 未使用の電池は、使用推奨期限を過ぎての長期保管や高温多湿での保管を避け、直射日光が当たらない涼しい場所に保管しましょう。また、期限を過ぎた電池は使わず、適切に処分するようにしてください。

電池の液漏れを予防する方法

電池の液漏れを防ぐためには、正しい使い方や保管方法を守ることが大切です。以下のポイントを押さえ、電池を安全に長持ちさせましょう。

正しい向きで電池をセットする

電池をセットするときは、プラスとマイナスの向きを必ず確認してください。正しくセットすることで、液漏れを防げます。

電池は、プラス極とマイナス極、そして電解液の3つの要素でできています。電子がマイナス極からプラス極に移動するときの化学反応により、電池が電流を生み出します。電流の向きは、電子の移動とは逆です。

そのため、もし電池を逆向きにセットしてしまうと、電子が正しく流れなくなり、電池の内部に負担がかかります。結果として、電池が傷み、液漏れが発生します。 電池や機器を長持ちさせるためにも、電池を取り付ける前に、向きを確認する習慣をつけましょう。

新しい電池と古い電池を同時に使わない

電池を2個以上使用する場合は、新しい電池と古い電池を一緒に使わないようにしましょう。液漏れの原因になります。

新しい電池は容量が十分にあり、長時間エネルギーを供給できますが、古い電池は容量が低下しており、早く消耗します。そのため、古い電池が過放電状態になり、破裂や発熱、液漏れを引き起こすリスクが高まってしまうのです。 電池を交換する際は、必ず同じメーカーで新しい電池をそろえるようにしましょう。同じ条件の電池を使うことで、機器を安全に、そして長く使用できます。

長時間使用しない場合は電池を抜いておく

機器を長時間使用しないときは、電池を取り外して保管しましょう。電池はスイッチを切った状態でも少しずつ放電を続けるため、そのまま放置してしまうと、内部の物質が劣化し、液漏れを引き起こす可能性があります。

正しい方法で保管する

電池を安全に使用するためには、適切な環境での保管が大切です。電池の化学反応は温度が高いほど活発になるため、10〜25度の低温かつ湿度の低い場所で保管するのが理想です。

とくに、35度を超える環境では液漏れの原因となります。直射日光が当たる場所や高温多湿での保管は避けましょう。冷蔵庫での保管は、付着した水分が錆を引き起こす可能性があるためおすすめしません。正しい保管で、電池の寿命を延ばし、液漏れを防ぎましょう。

液漏れしてしまったときの対処法は?

液漏れした電池はもう使用できないため、処分する必要があります。しかし、アルカリ電池の電解液に含まれる水酸化カリウムは、非常に強い毒性を持つ化学物質です。直接触れると、火傷を引き起こすだけでなく、目に入ると失明のおそれもあります。 また、液漏れした電池を適切な処理をせずに捨てると、発火の原因になりかねません。液漏れした電池は、以下の手順で安全に処分するようにしましょう。

  1. 電解液が肌や目に触れないよう、ゴム手袋とゴーグルを装着
  2. 液漏れした電池を取り出し、ビニール袋に入れる
  3. 乾いた布で電池や周囲に付いてしまった液を拭き取る
  4. 細かい汚れは綿棒で取る
  5. 濡れた布で拭き取った後、乾いた布で仕上げる
    ※水を使うことで電解液を薄められます。
  6. 絶縁するため、電池の両端にテープを貼る
  7. 電池をビニール袋に入れ、自治体のルールに従って廃棄する

肌や衣服に液が付着した場合は、すぐに大量の水で洗い流し、必要に応じて医師に相談してください。液漏れにより機器内部が腐食し、不具合が起きる可能性があるため、電池を入れていた機器の使用は中止しましょう。

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まとめ

電池の液漏れの原因は、過放電や不適切な環境での保存、機器への間違った取り付け方などが挙げられます。たとえば、機器に取り付けたまま外していない、高温多湿な環境で保存している、電池をプラスマイナス逆向きに取り付けていると、液漏れが起こる場合があります。

また、電池を交換する際は、使用期限を過ぎた電池は使わないようにし、必ず同じメーカーで新しい電池をそろえるようにしましょう。「電材ネット」は、電池や配線などの電子資材をお買い得価格でご購入いただけるネットストアです。クレジットカードやキャリア決済、代金引換、モバイル決済など、さまざまなお支払い方法をご用意しております。

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