弱電は通信や制御、情報を表します。対して強電は電気エネルギーの輸送、機械的エネルギー・熱エネルギーの変換を行う電気工事を指します。
以上の2つは電気分野を示し、利用目的を分類するために使用される点が特徴です。2つの定義や具体例、違いを理解すると知識が深まり、工事がスムーズに進むでしょう。こちらでは、弱電の基礎から工事に必要な資格まで紹介します。
弱電とは
弱電と強電は電気分野を示す用語で、利用目的を分類するために使われています。それぞれ特徴がありますが、強電に比べて小容量の電気を使用するものであるため、感電はしません。定義と具体例を強電と比較しながら確認をしましょう。
定義
弱電は、電気を信号として利用する場合を指し、以下の電気分野を指す用語です。
- 通信
- 制御
- 情報
弱電と強電は、利用目的を分類するために使われている用語です。強電は、電気エネルギーの輸送、機械的エネルギー・熱エネルギーへの変換を行う電気工学の俗称です。
電圧は48v以下と低く、日頃使われている家電製品の8%しかありませんが、信号を送るだけであるため、高い電圧を必要としません。ただし、信号を電気として送る際はノイズが発生する可能性もあります。電気設備が利用目的の場合、情報信号をコントロールしている中心部から建物の必要部分に運ぶ動脈のことであり、弱電系統幹線と呼ばれています 。また、感電せず、小容量の電気を使用する点も特徴です。
具体例
具体例として以下の通信設備に使われています。
- 電話
- テレビ
- ラジオ
- インターネット
- ステレオコンピュータ
- 中央監視制御設備
- 電話設備
- 電気時計
- 拡声設備
- 表示設備
- インターホン
- 自動車管制設備
- 情報配線設備
- 火災報知設備
- 自動閉鎖設備
以上のように、さまざまな設備に使われています。
対して強電は、以下の設備に使われています。
- 電灯設備
- 動力設備
- 受変電設備
- 避雷設備
特徴が異なる弱電と強電は、使用されている通信設備にそれぞれ違いがあります。
弱電と強電の違い
- 電圧
- 電気使用方法
- 理論
- 電気設備での役割
弱電の電圧は48v未満で電気使用方法は信号ラインですが、強電の電圧は48v以上で電気使用方法は動力ラインです。また、弱電の理論は電子工学ですが、強電は電気工学です。
強電は以下の3種類に分かれエネルギーとして利用されます。
- 低圧
- 高圧
- 特別高圧
区別・分類する言葉は、現在あまりありませんが、以前は就職先で業界が分かれていました。違いや特徴を知ると、工事に対する技術や専門性が高まるでしょう。
現在はどちらかを主体とする設備やシステムはなく、2つの技術が絡み合ったものが主流です。しかし、特徴や違いを理解すると、電気機器を安全に使用ができるため、日常生活や仕事で役立てられます。
電化製品を選ぶ際に弱電か強電かを知ることで、安全に利用ができます。弱電は電話やインターネットに使用されているため、コミュニケーションを豊かにするための技術です。さらに、テレビやインターネットにより、エンターテイメント・余暇活動が豊かになりました。 以上のように、2つには特徴や性質などの違いがありますが、生活を豊かにしている点が共通しています。
弱電工事の施工に必要な資格
工事に必要な資格を紹介します。
- 電気通信主任技能者
- 総合無線通信士
- 陸上無線技術士
工事をスムーズに進めるために、以上の資格について順番に確認しましょう。
電気通信主任技能者
弱電工事には、電気通信主任技能者の資格が必要です。電気通信主任技能者とは、電気通信ネットワーク工事、維持及び運用の監督責任者であり、総務省令で定める基準に適合するために工事や運用の監督にあたります。 電気通信主任技能者の選任は、事業用電気通信設備を直接管理する事業場ごとに行いますが、多数の事業所が近接している場合は、あわせて監督ができます。こちらの資格証の種類は、ネットワークを構成する設備に着目して区分される点が特徴です。
総合無線通信士
弱電工事には、総合無線通信士の資格が必要です。総合無線通信士は国家資格で、通信士や工事の管理、電設会社への就職やドローン技術などに活かせられます。
総合無線通信士は、海上・航空・陸上すべての知識が必要であるため試験の難易度が高く、英語も出題されます。英語のスキルについては、会話ではなくリスニング問題が出題されるため、英語2級レベルの能力があれば支障がないでしょう。また、こちらの資格の運営管理は、日本無線協会が行っています。
陸上無線技術士
弱電工事には、陸上無線技術士の資格が必要です。陸上無線技術士とは、陸上で電波を利用する無線設備の技術的な操作を行う際に必要な資格です。
携帯電話や基地局、タクシー無線などを利用する際には、無線従事者免許が必要で、弱電設備を取り扱う際に必要です。また、弱電設備の導入や設置に関しては、現場をサポートする会社に相談をしてもよいでしょう。
電材ネットは、電気工事店や現場などをサポートしているネットストアであるため、設備に関してお問い合わせをしてみてください。
こちらの記事では、分電盤と配電盤について解説しています。それぞれの違いや交換の目安と選び方も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
弱電と強電は電気分野を示す用語で、利用目的を分類するために使われています。
2つの違いを理解すると技術や専門性が高まるでしょう。電気工事店や現場をサポートする電材ネットは、弱電機器も取り扱っています。インターホンやカメラ、デジタルレコーダーなどの弱電機器を豊富に扱っているため、使用の際はお問い合わせください。