エアコンの配管周りから雨水が入ったり、すきま風が気になったりする場合、パテが劣化している可能性があります。パテの交換を専門業者に頼むと工事費がかかりますが、DIYでも交換が可能です。

この記事では、エアコンのパテの役割や寿命、劣化による影響からDIYでの交換方法まで詳しく解説します。また、必要な道具や手順、作業時の注意点も紹介します。

エアコンのパテとは

エアコンのパテは、室外機と室内機をつなぐ配管が壁を通る部分に使われる密閉材です。ここからは、エアコンのパテの役割と寿命について解説します。

パテの役割

エアコンのパテは、室外機と室内機をつなぐ配管の周りで防水・気密性を確保するために重要な役割を果たします。配管が壁を通る部分には必ずすき間ができますが、パテを使ってこのすき間を埋めることで、建物の気密性を保てます。

とくに梅雨や台風のシーズンは、すき間から雨水が侵入するリスクが高くなるため、パテでしっかりと防ぐことで、壁の内部の腐食や室内への漏水を防げるでしょう。 また、小さな虫や害虫が配管のすき間から入るのを防ぐ効果もあります。このように、エアコンのパテは、建物の保護や室内の快適性を守るために欠かせないものです。

パテの寿命

エアコンのパテの寿命は一般的に5〜7年程度で、この期間を過ぎると交換が必要です。日本の気候は季節ごとに気温差が大きく、梅雨や台風などの天候の変化も激しいため、パテには大きな負担がかかります。

とくに夏の強い日差しは、パテの表面を硬化させる原因となります。また、急激な温度変化によってパテが収縮と膨張を繰り返すことで、ひび割れが生じることもあります。設置場所によっては、寿命がさらに短くなることもあるでしょう。定期的に点検を行い、劣化の兆候が見られた場合は、早めに交換することをおすすめします。

劣化したエアコンのパテを直さないとどうなる?

エアコンのパテが劣化すると、建物にさまざまなダメージを引き起こす可能性があります。ここでは、エアコンのパテを修理しない場合の具体的な影響について見ていきましょう。

雨水が壁内・室内に侵入する

劣化したパテのすき間から雨水が侵入すると、まず壁の内部に水が浸透します。これにより、壁材が膨張したり、内部の木材が腐食したりする可能性があります。

また、壁内部の断熱材が水分を吸収すると、断熱性能が低下し、結露やカビの発生を引き起こします。このような水漏れは、発見が遅れがちです。気づいたときには、すでに大きな被害に発展していることも少なくありません。 最悪の場合、壁の全面的な修繕が必要となり、数十万円単位の費用が発生することもあるでしょう。

外気が室内に流れ込む

パテの劣化でできたすき間は、外気が室内に流れ込む原因です。これにより、夏は外の暑い空気が室内に入り、冬は室内の暖かい空気が外に逃げます。

また、外気の侵入は室温の不安定さだけでなく、湿気の問題も引き起こします。とくに梅雨時期は高い湿度の空気が室内に流れ込むことで、不快な室内環境が生まれます。エアコンにも通常より負荷がかかるため、電気代の上昇にもつながるでしょう。

鳥やネズミ・コウモリが室内に侵入する

パテの劣化によるすき間から、小さな虫から鳥類、ネズミ、コウモリなどの小動物が室内に侵入する可能性があります。

これらの動物は、深刻な問題を引き起こす可能性が高いです。たとえば、ネズミが電気配線をかじって漏電や火災を引き起こしたり、天井裏で繁殖して大きな被害をもたらしたりします。 また、鳥やコウモリの糞は強い臭いを放ち、衛生面にも問題を引き起こします。さらに、動物が持ち込む寄生虫や病原体による健康被害のリスクも考えられるでしょう。

エアコンのパテをDIYで交換する方法

エアコンのパテ交換は、DIYでも十分に対応できる作業です。必要な道具と材料をそろえ、手順にそって丁寧に進めれば、プロのような仕上がりが目指せます。 初めての方でも比較的簡単に取り組める作業なため、この機会にぜひ挑戦してみてください。

パテ交換に必要な道具

パテ交換作業を始める前に、道具を準備しましょう。エアコン用の専用パテはホームセンターや通販で購入可能です。安定した作業を行うために、しっかりした脚立も用意しましょう。

作業中に手が汚れるので、使い捨ての手袋を準備してください。また、古いパテを取り除く際に役立つマイナスドライバーやスクレーパーも必要です。 さらに、清掃用のタオルや雑巾、古いパテを捨てるためのゴミ袋を用意すると、作業がスムーズに進みます。道具を事前にそろえておくことで、効率よく作業を進められます。

パテ交換の手順

準備を整える作業を始める前に、手を洗い清潔な状態にします。使い捨て手袋を着用すると、手が汚れるのを防げます。パテ交換の手順は、以下のとおりです。

1.古いパテを取り除く

古いパテを丁寧に剥がします。硬化して取りにくい場合は、マイナスドライバーやスクレーパーを使用して慎重に作業しましょう。このとき、配管を傷つけないよう注意してください。

2.配管周りを清掃する

古いパテを完全に除去したら、湿らせた雑巾で配管周辺を拭き、ホコリや汚れを取り除きます。清掃後は、作業箇所を乾燥させましょう。

3.新しいパテの準備

エアコン用のパテを手でよくこね、やわらかくします。指2本分ほどの太さの棒状に成形し、均一に伸ばせる状態に整えます。

4.新しいパテを詰める

成形したパテを配管周りに丁寧に押し込みます。内側から外側に向かって均一に詰め、すき間が残らないように注意しましょう。仕上げに表面を整え、見た目もきれいに仕上げます。

5.仕上げと確認

作業後、配管周囲を全体的に確認し、すき間がないかチェックします。パテが完全に固まるまで、数時間は触れないようにしましょう。

DIYでパテ交換する際の注意点

エアコンのパテ交換をDIYで行う際は、慎重に作業を進めることが重要です。以下では、パテ交換時に気をつけるべきポイントを解説します。

古いパテはきれいに剥がす

古いパテの除去は、パテ交換作業のなかでもとくに慎重さが求められる工程です。劣化したパテは、硬化して配管や壁にしっかり固着していることが多いため、無理に剥がそうとすると配管や壁を傷つけてしまう可能性があります。

まず、古いパテの端を手で軽くつまみ、剥がれる具合を確認します。固着が強い場合は、マイナスドライバーやスクレーパーを使い、少しずつ丁寧に取り除きましょう。 このとき、ドライバーの角度に注意し、配管や壁を傷つけないように作業を進めてください。また、古いパテを完全に取り除き、配管周りを清掃することで、新しいパテが確実に密着し、効果を十分に発揮します。

手を洗ってからパテに触れる

作業前には、必ず手を洗い清潔に保ちましょう。劣化したパテには長年の汚れが付着しており、素手で触れると手が汚れるだけでなく、作業箇所を汚してしまう可能性があります。

また、新しいパテを扱う際には、清潔なポリエチレン手袋を使用するのがおすすめです。手の汗や皮脂、ホコリがパテに混ざると、パテの色が変わったり、密着力が低下したりする恐れがあります。 とくに、パテをこねる際には清潔さを保つことが、見た目の美しさと性能を保つポイントです。

乾く前に形を整える

パテは時間の経過とともに硬化する性質があり、一度硬化が始まると形を整えるのが難しくなります。そのため、作業を始める前に手順をしっかり確認し、必要な道具を手元にそろえておきましょう。 作業を慌てる必要はありませんが、パテが硬化するまでの時間を意識し、スムーズかつ計画的に進めることが大切です。事前準備を万全にすることで、美しく仕上げられます。

こちらの記事では、エアコンの配管について解説しています。交換が必要なタイミングや寿命も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

エアコンの配管とは?交換が必要なタイミングや寿命を解説

エアコンの配管とは、エアコンの室内機と室外機を接続するために使用される銅製の管のことを指します。本記事では、配管の種類や配管工事のタイミング、再利用するリスクを解説します。配管を調査し、工事が必要かを見極めたい人は、ぜひ参考にしてください。

まとめ

エアコンのパテ交換は、建物を保護し、快適な室内環境を維持するために欠かせない重要なメンテナンス作業です。パテの劣化を放置すると、雨水の侵入や外気の流入、小動物や害虫の侵入など、建物や生活環境に大きな影響を及ぼす可能性があります。

DIYでのパテ交換は、正しい手順と注意点を守ることで、初心者でも対応可能です。道具を事前に準備し、古いパテの除去から新しいパテの施工まで丁寧に進めることで、プロのような仕上がりを目指せます。 電材ネットでは、プロ仕様のエアコン用パテや、施工に必要な工具・資材を豊富に取りそろえています。初めての方でも安心して使える高品質な商品を提供していますので、パテ交換を検討中の方は、ぜひご活用ください。

#エアコン #パテ #DIY #パテの交換