LED照明は長持ちする照明器具として、多くの家庭で使用されています。従来の照明と比べて電気代が少なく、環境にもお財布にもやさしい照明として人気です。しかし、LED照明の寿命は、使用環境や取り扱い方法によって大きく変わります。この記事では、LED照明の寿命がどのくらいか、寿命が近づくとどんな変化が起こるのか、そして長く快適に使うためのコツについて紹介します。
目次
LEDの寿命は何年?
LED照明の寿命は、約40,000時間から50,000時間です。1日8時間使用する場合、10年以上使えます 。ここからは、ほかの照明との違いや長く使える理由について紹介します。
そのほかの電球との違い
LED照明とそのほかの電球との大きな違いは「寿命の長さ」です。
一般的な白熱電球の寿命は約1,000〜2,000時間、蛍光灯は約12,000時間ですが、LEDは40,000時間から50,000時間と圧倒的に長持ちします。そのため、高所や屋外の照明など、取り替えが手間のかかる場所にはLED照明が最適です。
さらに、LED照明は省エネ性能も優れています。白熱電球と比べると消費電力を約90%も抑えられ、電気代を大幅に削減できます。 また、紫外線の放出が非常に少なく、蛍光灯の約200分の1に抑えられているため、虫が寄りつきにくいです。さらに、衝撃に強い構造を持っているため、地震や振動の多い場所でも安心して使用できます。
LEDの寿命が長い理由
LED照明の寿命が長い理由は、発光の仕組みにあります。従来の照明はフィラメントを高温で加熱して光を作り出しますが、その過程で部品が劣化します。 一方、LEDは半導体に電気を流すことで直接光を生み出すという仕組みです。そのため、熱による負担が少なく部品の劣化も抑えられるため、長期間安定して使用できるでしょう。
LEDの寿命が近いサイン
LED照明の寿命が近づくと、いくつかのサインが現れます。ここでは、LED照明の寿命が近い時に見られる3つのサインについて解説します。
前よりも暗く感じる
LED照明は、白熱電球のように突然切れることはなく、徐々に明るさが低下します。そのため、日常生活のなかで「以前より部屋が暗く感じる」「読書や細かい作業がしづらくなった」といった違和感を覚えることがあるでしょう。
この明るさの低下は、経年劣化によるものです。ただし、使用年数だけでなく、設置場所の温度や湿度も影響します。とくに、閉じられた照明器具の中や高温になりやすい場所では劣化が進むことがあります。 もし暗くなったと感じたら、快適な照明環境を保つために交換を検討するとよいでしょう。
点滅する
LED照明がちらついたり点滅したりするのは、寿命が近づいているサインのひとつです。長期間の使用により、基板が熱で少しずつ変形し、電気の流れが不安定になることでこの現象が起こります。
ただし、点滅の原因が必ずしも寿命によるものとは限りません。LED照明に対応していない器具を使用していたり、照明器具との接触が悪かったりする場合にも、同様の症状が見られます。 点滅が発生した場合は、まず取り付け状態を確認しましょう。それでも改善されない場合は、製品寿命による可能性が高いため、交換を検討することをおすすめします。
点灯しない
LED照明が点灯しない場合は、製品の故障を示すサインです。LED電球は発光部分と電源部分の2つで構成されていますが、とくに電源部分は熱に弱い特徴があります。
密閉型の照明器具や、熱がこもりやすい場所に設置された場合は放熱が十分に行われず、電源部分が早く劣化してしまう可能性があります。そのため、LED照明が点灯しなくなった場合は、新しい製品に交換しましょう。ただし、同じ問題が繰り返されないよう設置環境の見直しも必要です。器具の放熱性能を確認したり高温になりやすい場所を避けたりするなど、適切な環境づくりを心がけましょう。
LEDを長持ちさせるためのコツ
LED照明は、正しい使い方と適切な環境が整うことで、寿命を最大限に活かせます。ここでは、LED照明を長く快適に使い続けるための4つの重要なポイントを紹介します。
つけっぱなしにしない
LED照明を長持ちさせるためには、使っていないときはこまめに電源を切ることが大切です。長時間点灯し続けると、基板に熱が溜まり、劣化が進みます。不要な時間帯に消灯することで、部品への負担を減らし、製品の寿命を延ばせます。
「頻繁にON・OFFを繰り返すと寿命が縮まる」と考える方もいるかもしれませんが、LED照明ではその心配はありません。むしろ、必要ないときには消灯することで、より長持ちします。 さらに、こまめな消灯は省エネにもつながります。電気代の節約だけでなく、環境にもやさしい使い方といえるでしょう。
湿気に注意する
LED電球は、湿気に対して弱いのが特徴です。浴室や洗面所、屋外などの湿気が多い場所で使用する場合、湿気が内部の電子回路に影響を与え、故障や寿命を縮める原因になります。
湿気の多い場所にLED照明を設置する場合は「防水型」や「浴室用」など、湿気に強い専用製品を選びましょう。これらの製品は、内部の電子部品を湿気から守る設計がされています。
ただし、一般的なLED照明に防水カバーを取り付ける際は注意が必要です。防水カバーが湿気を防いでくれる一方で、放熱が悪くなり、内部温度が上がることで逆に寿命が縮まる可能性があります。 設置場所の環境に合わせて適切な製品を選ぶことが大切です。
適切な照明器具を選ぶ
LED照明を長く快適に使用するためには、照明器具との相性が重要です。LED照明は特定の使用環境や条件に適したものを選ばないと、予想以上に早く劣化します。
とくに、特殊な機能をもつ照明器具との組み合わせには注意が必要です。たとえば、明るさを調整できる調光機能付きの器具や、人感センサー付きの器具、密閉型の器具などがあります。これらの照明器具には、専用のLED照明を使用する必要があります。
一般的なLED照明をこれらの特殊機能に対応していない器具に取り付けると、過度な負荷がかかり、結果として寿命を短くしてしまう可能性があります。 製品を選ぶ際は「調光器対応」「センサー対応」といった表示をしっかりと確認しましょう。とくに、オフィスやお店など長時間の使用が想定される場所では、照明器具とLED照明の互換性を慎重に検討することが大切です。
定期的なメンテナンスを行う
LED照明を長く使用するためには、日頃のメンテナンスが欠かせません。照明器具に埃や汚れが溜まると、光が暗くなり、さらに余計な熱負担がかかることで寿命を縮める原因になります。
メンテナンスを行う際は、適切な方法を守ることが重要です。強い洗剤や不適切な道具を使用すると、照明器具を傷めてしまう恐れがあります。水拭きをする際は、十分に絞ったやわらかい布を使い、電子部品に水分が入り込まないように注意しましょう。また、メンテナンスを行う前には、感電事故を防ぐために必ず電源を切るか、コンセントから電源プラグを抜いて作業を行いましょう。定期的なメンテナンスで、LED照明をより長く快適に使用できる環境を保てます。
こちらの記事では、蛍光灯について解説しています。種類や型番の見分け方、寿命についても取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
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まとめ
LED照明は一般的に10年以上使用できる長寿命な製品ですが、寿命は設置場所の温度や湿度、照明器具との相性などによって変動します。LED照明を長持ちさせるためには、こまめな消灯、適切な環境作り、定期的なメンテナンスが重要です。
とくに、照明器具との組み合わせは慎重に選ぶ必要があります。適切な照明器具を選ぶことで、LED照明の性能を最大限に引き出し、長期間快適に使用できるでしょう。 「電材ネット」では、用途や環境に合わせた最適なLED照明を豊富に取りそろえております。ユーザー登録していただくと、お気に入りや再注文などの便利な機能をご利用いただけます。長く快適に使えるLED照明をお探しの方は、ぜひ一度「電材ネット」をご覧ください。